はじめに
前回は、イシューを分解し、それらを並べて「ストーリーライン」を作る工程について考えました。言葉による脚本ができあがると、なんとなく分析が終わったような気になってしまいます。
しかし、言葉だけのロジックはまだ脆弱です。 「具体的にどんなデータがあれば、その仮説が証明されたことになるのか?」 この問いに即答できなければ、実際の分析作業で迷走することになりそうです。
今回は、言葉のストーリーを具体的な図解イメージに落とし込む工程、「絵コンテ」について掘り下げていきます。
著書の要点を噛み砕く
ストーリーラインができたら、次は分析作業の具体的な設計図を作ります。著者はこれを「絵コンテ」と呼んでいます。
分析イメージをデザインする
「絵コンテ」とは、文字通り映画やアニメの制作現場で使われるコンテのように、最終的なアウトプットの姿を視覚的に描く作業です。
単に「売上が減少していることを示す」と文字で書くのではなく、 「過去5年間の売上推移の折れ線グラフを描き、直近1年で急激な下降カーブになっている図」 というように、具体的なデータをビジュアルとして組み合わせるのです。
こうすることで、最終的なアウトプットの青写真が明確に見えてきます。
絵コンテづくりのイメージ
では、具体的にどのように作成するのでしょうか。 基本的には、ストーリーラインに沿って必要な分析イメージを並べていきます。これは1枚や2枚ではなく、ストーリーを語るために必要なだけ何枚も作ります。
効率的に進めるために、著者は以下の要素を含んだ決まったフォーマットを使うことを推奨しています。
- サブイシュー: 何を検証するための分析か
- 分析イメージ: 具体的なチャートやグラフのラフスケッチ
- 分析手法: どのような比較・計算を行うか
- 担当と締切: 誰がいつまでに行うか(情報源も含む)
そして重要なのは、この段階ではデータが手元になくても**「大胆に思い切って描く」**ことです。データを見てからグラフを作るのではなく、見たいグラフの形を先に描くのです。

その主張をどう受け取ったか?
「絵コンテ」と聞くと、映画や漫画の世界のようなイメージとなると思いますが、IT業界の人ならおそらく「ポンチ絵」といった簡略化された図のことかな?と思い描いたのではないかと思います。
データのみの解析というより、ストーリーを描き、絵に落とし込むことで、「イシュー」のメカニズムを直感的に理解することができると思います。
著者が言う「絵コンテ」は、自分の仮説に対する強い意志の表明だと感じました。 「もし仮説が正しければ、こういうグラフになるはずだ」と先に定義する。それはある種、現実に対して「こうあってほしい」という願いや、洞察の深さが「絵コンテ」にあらわれてくると思います。
「大胆に思い切って描く」という言葉には、間違えることを恐れずに、まずは自分の頭の中にあるイメージを紙の上にすべて並べて、推論を推し進めることはこの段階では非常に大切なことだと読み取りました。
そういえば、学生の時によく「数式」がイメージできなければ「図」で理解しなさいと言われたことを思い出しました。
次回予告
次回は、絵コンテを描く上で最も重要な要素の一つ、「⑩軸を整理する」について、具体的な分析手法に踏み込んで解説します。
補足
本シリーズは「イシューからはじめよ」を題材に、書籍の内容を要約・引用しつつ、筆者自身の解釈と実務経験を交えて解説するものです。
記事中で言及している内容は、著作権法第32条(引用)に基づき、公正な慣行に合致し、かつ報道・批評・研究の目的の範囲内で行っています。
書籍
※本章にはPRを含みます。

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