はじめに
前回までは、ストーリーラインを作り、それを具体的なチャートの「絵コンテ」に落とし込む作業を進めてきました。 手元には、「もし仮説が正しければ、こういうグラフができるはずだ」という青写真があります。
しかし、ここで現実に引き戻される瞬間が訪れます。 「で、この数字、具体的にどうやって集めるの?」 「そんなデータ、社内のどこにもないよ?」
絵に描いた餅を、食べられる餅にするためには、材料の調達方法を決めなければなりません。 今回は、仮説検証の最終準備段階である「方法の明示」について考えていきます。
著書の要点を噛み砕く
絵コンテで描いたチャートを実際に埋めるために、どのような手法でデータを取得・分析するのかを具体的に決めます。
どうやってデータを取るか
ビジネスの課題であっても、学術研究と同じように「どういった調査を行ってデータをとるか」を明示する必要があります。 「消費者意識を分析する」といった曖昧な言葉ではなく、「20代〜30代の男女1000名に対するWebアンケート調査を行う」といったレベルまで具体化します。
既存の方法を活用する
データを取る際、すべての手法をゼロから発明する必要はありません。むしろ、すでに確立された「既存の方法」を活用することが推奨されます。 過去の類似プロジェクトで使われた調査票や、業界標準の分析フレームワークなど、使えるものは徹底的に使います。
「知恵袋」を持つ
自分一人であらゆる分析手法に通じている必要はありません。 特定の領域に詳しい「ご意見番」的な人や、ちょっとした相談に乗ってもらえる人を何人か持っておくことが、分析の質とスピードを上げるために非常に有効です。

その主張をどう受け取ったか?
「方法を明示する」というプロセスは、構想から実務的な内容を考えていきます。おそらく、規模の小さな仮説など明確にこのプロセスが別れているわけではなく、絵コンテ、ストーリーを考えながら、方法も合わせて考えていくようなイメージかなと思います。そして、その仮説と具体的なデータ収集する方法を検討しながら仮説検証をいくつも回していくのかなとイメージしました。
私たちはつい、面白い仮説が思いつくと、それを証明するためのデータも魔法のように手に入ると錯覚しがちです。しかし、実際には「データがない」「取れない」「コストがかかりすぎる」という壁にぶつかります。この段階で「具体的にどう取るか」を詰めておかないと、分析フェーズに入ってから立ち往生してしまいます。
この章で重要なのは「ご意見番的な人を持っておく」という部分かなと思いました。これは経験豊富な人に聞くことで、効率的な方法、考え方を指南いただいたり、自分の論理のブレや穴なども指摘してくれることも多いかと思います。こういった、相談相手を持つことは、仕事のスピード、精度を上げるうえで大切なことだと思います。
最近ではAIがそれに変わって来ている傾向にあると思いますが、その人の置かれた環境、業界の風土、習慣などを鑑みてアドバイスをくれるのは、人間からなのかなとも思います。
次回予告
次回からは第4章「アウトプットドリブン」に入り、実際の分析を進めていく段階へ。「⑬アウトプットをうみだすとは」について解説します。
補足
本シリーズは「イシューからはじめよ」を題材に、書籍の内容を要約・引用しつつ、筆者自身の解釈と実務経験を交えて解説するものです。
記事中で言及している内容は、著作権法第32条(引用)に基づき、公正な慣行に合致し、かつ報道・批評・研究の目的の範囲内で行っています。
書籍
※本章はPRを含みます。

コメント