はじめに
これまでのプロセスで、イシューを見極め、ストーリーラインを描き、絵コンテを作り、データを集める方法までを整えてきました。いよいよ、実際にデータを処理し、形にしていく「アウトプット」の段階です。
準備が整うと、人はどうしても「早く手を動かしたい」「手当たり次第にデータをグラフ化したい」という衝動に駆られます。私自身、準備に時間をかけた分を取り戻そうと、焦って作業に没頭してしまった経験が何度もあります。
しかし、この第4章「アウトプットドリブン」の冒頭で、著者は私たちの逸る気持ちをスッと落ち着かせるような指摘をしています。今回は、実際の分析作業に向き合う際の「姿勢」について考えてみます。
著書の要点を噛み砕く
これまでに作成した絵コンテを、いよいよ本物の分析にしていく段階に入ります。 ここで問われるのは、限られた時間の中で、いかに本当のバリュー(価値)のあるアウトプットを効率的に生み出すかということです。
いきなり飛び込まない 作業を始めるにあたり、手当たり次第に着手してはいけません。まずは、描いたストーリーラインの中で「最もバリューのあるサブイシュー」を見極め、そのための分析から行うことが推奨されています。前提となる重要なイシューが崩れれば、他の分析が無駄になる可能性があるからです。
「答えありき」ではない 私たちは強力な仮説を持っていますが、検証作業自体は「答えありき」で行ってはいけません。意味のある分析・検証は、「答えありき」の対極にあります。「イシューからはじめる」考え方で各サブイシューについて検証するときは、常にフェアな姿勢で検証することが求められます。

その主張をどう受け取ったか?
「最もバリューのあるサブイシューから手をつける」これは、頭では分かっていても、実行するのは非常に難しいと感じます。なぜなら、最も重要なイシューの検証こそ、最も難易度が高く、データが集まりにくいことが多いからです。もう一つ、多くのことを分析・検証していると、言いたいことが多くなり、焦点がぼやけて頭なの中が整理できなくなるからです。(少なくとも私は。。)
その中で、最終的にもっとも聞き手に対して価値あることは何か?本来この分析は何のために行っていたか?という原点に立ち返る思考が重要ということになると思い案す。
また、「フェアな姿勢で検証する」という点も忘れがちです。つい多くのデータが集まっているサブイシューを分厚くしてしまったり、自分の思い込み、願望をストーリーに載せてしまいがちです。しかし、ここでフェアな姿勢を保つことは、のちに聞き手にもそれが伝わりますし、説得力の差になって結果に表れてくると思います。
仮説を立てるまでは大胆に、自分の思い込みを信じて突き進む。しかし、いざ検証の段になったら、自分自身の仮説を冷徹な目で見つめ直す。この「情熱」と「冷静さ」のスイッチを意図的に切り替えられるかどうかが、価値あるアウトプットを生み出せるかどうかの分水嶺になる気がします。
次回予告
次回は、分析を進める中で必ず直面する「想定外の事態」にどう対処するか。「⑭トラブルをさばく」について解説します。
補足:このnoteについて
本シリーズは「イシューからはじめよ」を題材に、書籍の内容を要約・引用しつつ、筆者自身の解釈と実務経験を交えて解説するものです。
記事中で言及している内容は、著作権法第32条(引用)に基づき、公正な慣行に合致し、かつ報道・批評・研究の目的の範囲内で行っています。
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